こんにちは、なおじです。
「かがくの里」って、名前は聞いたことあるけど、実際に何をやっているプロジェクトか、よく知らない。
そんな方、けっこう多いんじゃないかなと思います。
かがくの里は、日本テレビ「所さんの目がテン!」が2015年から茨城県常陸太田市で続ける、
日本テレビ史上最長の里山再生プロジェクトです。
約2,000坪の荒れた耕作放棄地を舞台に、科学者・地域住民・建築家まで巻き込んで
本物の里山を取り戻そうという、すごくスケールの大きな実験なんですよ。
この記事では、プロジェクトの全貌を元社会科教師なおじがまとめます。

この記事でわかること
- 「かがくの里」の定義・なぜこのプロジェクトが始まったか
- 所さんの目がテン!との関係と番組内での扱われ方
- 2015年からの10年の歴史と年表
- 環境省「自然共生サイト」認定の意味
- ニホンミツバチ・稲作・隈研吾の母屋など主な活動
- 一般見学についての現状
かがくの里と「所さんの目がテン!」の関係

番組史上最長の企画として誕生した
「所さんの目がテン!」は1989年から続く日本テレビの科学バラエティ番組で、35年以上の歴史を持ちます。
その番組が2014年秋、茨城県常陸太田市に「約2,000坪の耕作放棄地」を借り受けたところから、
すべてが始まりました。
「荒れた土地を、科学の力で里山に戻せるか」という壮大な問いを立てたわけです。
なおじ、これを最初に聞いたとき、「2,000坪って…学校の運動場より広いじゃないか」と思いました。
テレビ番組の企画としては、ちょっと規模がぶっとびすぎですよね(笑)
専門家チームと地域住民の連携
かがくの里プロジェクトの特徴は、一流の科学者たちが実際に現地に足を運んで実験・研究をするところです。
農学・生態学・昆虫学・建築学など、多様な分野の専門家が参加していて、里山の生物多様性や農法の持続可能性を長期的に記録しています。
地域住民も協力者として参加し、番組を超えた「コミュニティ型の里山再生活動」に発展していきました。
それまでの科学番組って「実験してみました、おしまい」という感じだったのが、このプロジェクトは年単位で続ける形になった。
「教室で一度だけ授業するより、1年間ずっと観察する方が本物の学びになる」と、元教師なおじはすごく共感するんですよね。
2015年からの10年・歩みの年表

開始〜初期(2014〜2018年)
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2014年秋 | 茨城県常陸太田市で耕作放棄地を取得・プロジェクト開始 |
| 2015年1月 | 「所さんの目がテン!」で「かがくの里」シリーズ放送開始 |
| 2016年頃 | ニホンミツバチ養蜂プロジェクト開始(巣箱設置) |
| 2017年頃 | 稲作・無農薬農業の実験本格化 |
| 2018年頃 | 環境省グッドライフアワード初受賞 |
2015年1月に第1回が放送されてから、
気づけば100回以上の放送回数になっています。
「週イチでやっても2年かかる計算じゃないですか」
「いや、10年以上やってるんだから100回は少なくないですか?」
……確かに。月1〜2回程度のペースで続けてきたということかな(笑)
中期〜現在(2019〜2026年)

| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2022年 | 環境省「令和4年度 自然共生サイト(仮称)認定実証事業」で認定相当 |
| 2022年頃 | 隈研吾氏設計による母屋建設プロジェクト開始 |
| 2023年10月 | 環境省「令和5年度前期 自然共生サイト」に正式認定 |
| 2024年1〜2月 | 「かがくの里10周年スペシャル」放送 |
| 2025年4月 | 母屋の茅葺き屋根が完成 |
| 2025年11月 | 母屋が内装も含めて完全完成・所ジョージさんが現地訪問 |
| 2025年12月 | 恒例の稲刈り・ニホンミツバチ養蜂プロジェクトの進捗放送 |
| 2026年2月 | 母屋完成後の”その後”を特集放送 |
10年間で放送100回超・グッドライフアワード2年連続受賞・自然共生サイト認定という充実した実績を積み上げてきました。
社会科教師として長く勤めたなおじから言うと、「10年続いた授業計画」なんてまずない。
数年ごとに教科書が変わるし、学習指導要領もほぼ10年で改訂されるし。
なのにこのプロジェクトは10年以上ブレずに続いている。
それ自体がすごいことだと思います。
👉関連記事:かがくの里の場所はどこ?茨城県常陸太田への行き方を解説
環境省「自然共生サイト」認定の意義

「30by30」という世界目標との関係
自然共生サイトとは、環境省が2023年度から認定を始めた制度で、「民間の取組によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が公式に認めるものです。
背景にあるのは「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」という国際的な目標。
2030年までに陸域・海域の30%以上を保全・保護しようという、生物多様性条約に基づく世界的な取り決めです。
かがくの里は、テレビ番組の企画地でありながら環境省に「本物の生態系保全の場」として認められた、国内でも珍しいケースです。
地上波テレビ番組として初の認定
「かがくの里」は、地上波テレビ番組の企画地として国内初の自然共生サイト認定を取得しました。
これがどれほど画期的か。
「テレビ番組の撮影地が環境省のお墨付きを得た」ということは、単に「面白い映像が撮れる場所」ではなく、「科学的に見ても本物の里山になった」と国が認めた、ということですよね。
なおじが社会科の授業で「里山の大切さ」を教えていたころは、教科書の写真を見せながら「こういう場所があります」と説明するしかなかった。
でも今の子どもたちは、リアルタイムの映像でその変化を追えるわけです。
これはすごい時代になったなあと思いますよ。
👉関連記事:かがくの里図鑑レビューと里山学習おすすめ教材まとめ
かがくの里の主な活動内容
ニホンミツバチ養蜂プロジェクト

かがくの里の活動の中で、なおじが特に印象的なのがニホンミツバチ養蜂プロジェクトです。
2016年頃から始まったこの取り組みは、日本在来種で近年数が激減しているニホンミツバチを里山に呼び込もうというものです。
巣箱を設置し、分蜂の様子を観察し、ミツバチが住める豊かな植生を整えていく。
春の分蜂シーズンになると毎年番組で特集されるほど、人気コーナーになっています。
「ニホンミツバチが来るということは、その里山が豊かになっている証拠」と番組内の研究者が語っていたのが印象的でした。
生き物は正直です。
住みたい環境じゃないと、来てくれないですからね。
稲作と伝統農法の復活

かがくの里では、農薬を使わない昔ながらの農法で稲作にも取り組んでいます。
毎年秋の稲刈りは、隈研吾さんや海外からのゲストも参加するイベントになっており、里山の「食の豊かさ」を体験する場になっています。
2025年の稲刈りでは、母屋完成祝いも兼ねた収穫祭が行われ、所ジョージさんも6週連続で現地を訪問するという、プロジェクト史上最も賑やかな秋になりました。
隈研吾氏設計の茅葺き母屋

2022年から始まった母屋建設プロジェクトは、世界的建築家・隈研吾氏が設計を担当したことで大きな注目を集めました。
茅葺き屋根の茅には、かがくの里周辺で番組メンバーと地域の方々が刈り取ったものを使用。
独創的なカーブを実現するために、28本の垂木を1本ずつ3Dスキャンしてデータ化し、
地元の大工職人が手作業で加工するという最新技術と職人技の融合でした。
2025年4月に茅葺き屋根が完成し、同年秋には内装も含めて全体が完成しました。
👉関連記事:かがくの里の母屋・隈研吾が茅葺きを選んだ理由
かがくの里Q&A
Q1:かがくの里はどこにあるの?
A: 茨城県常陸太田市町屋町にあります。
JR水郡線常陸太田駅から車で約15分ほどの場所です。
周辺には水戸光圀公ゆかりの西山荘もあり、観光スポットとしても楽しめるエリアです。
場所の詳細とアクセス情報は、
👉関連記事:かがくの里の場所はどこ?茨城県常陸太田への行き方を解説
でまとめています。
Q2:一般見学はできますか?
A: 現時点では一般向けの見学受付は行われていません。
かがくの里は私有地(借地)であり、
番組の撮影・研究活動のための場所です。
ただし、番組を通じてリアルタイムで活動を追えるのが最大の特徴です。
見学の現状と代替の楽しみ方については、専用記事で詳しく解説予定です。
Q3:「かがくの里」という名前の由来は?
A: 「科学(かがく)の力で、里山(さと)を再生する」という
プロジェクトの理念をそのまま名前にしたものです。
漢字ではなくひらがなで「かがくの里」と表記されているのは、
「科学」だけでなく「香学(香り・味覚の学び)」「花学(植物の学び)」なども
包含するという番組側の広い解釈があるとも言われています
(ただし公式の説明ではないため、なおじの推測も含みます)。
Q4:「目がテン」はどこで見られますか?
A: 「所さんの目がテン!」は毎週日曜日午前7時〜、日本テレビ系列で放送されています。
かがくの里のコーナーは月1〜2回程度の頻度で取り上げられます。
見逃し配信はTVerでも視聴可能です(配信期間あり)。
Q5:かがくの里の図鑑や学習教材はある?
A: 学研などからかがくの里に関連した学習コンテンツが出版されています。
子どもの自由研究や里山学習の教材としても活用できます。
詳しいレビューと対象年齢、自由研究アイデアは別記事で紹介予定です。
👉関連記事:かがくの里図鑑レビューと里山学習おすすめ教材まとめ
荒れた地に 科学が種を まいた春
10年前、だれが想像したでしょうか。
耕作放棄地が、国の認定を受けた里山になる日がくるなんて。
なおじ、この川柳に全部込めました(笑)
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・環境教育を長く教えてきたので、里山や生態系の話題は特に身近に感じています。
授業で「耕作放棄地の問題」を取り上げていたころに、かがくの里のような取り組みがあれば、もっと生き生きした授業ができたのになあとよく思います。